「光の教会」として知られる、ル・ランシーに佇むノートルダム・デュ・ランシー教会(notre-dame du raincy)は、鉄筋コンクリートで築かれた世界初の建築物です。建築巨匠オーギュスト・ペレによって設計され、1923年に完成したこの教会は、その独創性と美しさで近代建築の新たな時代を告げる記念碑的な存在となっています。
建築の特徴
教会の外観はシンプルで装飾はほとんどありませんが、内部に足を踏み入れると驚きの世界が広がります。三方の壁はステンドグラスで覆われ、外光が様々な色に変わり、内部を優雅に照らし出します。具象的な絵柄と幾何学模様が融合したステンドグラスは、第一次世界大戦の戦いを描いたモーリス・ドニの作品や、マルグリット・ユレによる美しい幾何学模様が印象的です。特に、「光の十字架」は、左右の壁に配置され、キリストの受難を象徴しています。教会内では、色と形の調和が豊かな表情を生み出しています。
スぺたらの大好きな建築の一つです。
個人的には建物の中に入った瞬間にすごい上昇感を感じました!!花形の断面をした柱や縦のリブが強調されたステンドグラス等の細かなディテールによって縦方向の線が強調されています。また、天井は伝統的なボールトの構成を踏襲しているものの側面がステンドグラスによって大きく空いていることによってコンクリートの天井がプカプカと入口から奥にむかって流れていくような軽やかさがあります。鉄筋コンクリートが新しい素材だった時代にこの驚きは計り知れなかったんじゃないでしょうか。
アクセス方法
パリから電車でわずか30分。パリ北駅からRER E線に乗り、ル・ランシー・モンフェルメイユ駅で降りると、徒歩10分で教会に到達できます。火曜日から日曜日まで、午前10時から午後6時まで開放されており、入場は無料。広場からは教会の外観をゆっくりと楽しむことができます。
まとめ
この教会は、「コンクリートのサント・シャペル」とも称され、パリの歴史的建築サント・シャペルの現代版とも言えます。オーギュスト・ペレの最高傑作とされ、鉄筋コンクリートの可能性を広げた建築家の先見性が光ります。近代建築に興味を抱く方は、ぜひ一度足を運んでみてください。ル・ランシーのノートルダム教会で、鉄筋コンクリートと光が織りなす美の世界に魅了されることでしょう!
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