ジュゼッペ・テラーニは、モダニズム建築の巨星として知られ、その生涯と作品はイタリア建築の歴史において重要な位置を占めています。ファシズム政権下で活動しながら、彼は合理主義建築とイタリアの伝統を融合させた独自の建築様式を確立しました。この記事では、ジュゼッペ・テラーニの生涯、代表作、および彼の建築の特徴について紹介します。
生涯
ジュゼッペ・テラーニは、1904年4月18日にイタリア北部のメーダという町で生まれました。彼はコモの工科学校を卒業し、ミラノのポリテクニークで建築を学びました。1926年に卒業した彼は、兄弟のアッティーリアとともにコモに建築設計事務所を開きました。彼は、モダニズム建築やインターナショナル・スタイルを尊重し、新古典主義やネオ・バロックなどの復古主義を激しく批判しました。また、彼は新しいファシズム体制のための建築を多数設計しましたが、その中には、優れた作品も含まれています。ジュゼッペ・テラーニは、第二次世界大戦に従軍し、1943年7月19日に脳卒中で亡くなりました。
代表作
ジュゼッペ・テラーニの代表作としては、以下のものが挙げられます：
- ノヴォコムン集合住宅（1927-29年、コモ）：コモの旧市街に建てられた、テラーニの最初の重要な作品です。建物の内部は、柔軟な間取りと明るい採光によって、住民の生活を快適にし、外観は機能美と伝統的な要素を組み合わせています。
- コモのカサ・デル・ファッショ（1928、1932-36年、コモ）：ファシスト党の地方本部として建てられた建物で、政治的なメッセージをファサードに込めています。内部では、空間のリズムとドラマが際立ち、外部ではモダニズム建築の純粋さとイタリアの地中海性が表現されています。
- ヴィッラ・ビアンカ（1936-37年、セーヴェゾ）：友人のために建てられた住宅で、白いコンクリートの立方体に黒い鉄の窓枠が印象的です。内部には空間の連続性と多様性が見られ、外部にはモダニズム建築と地中海性が見事に調和しています。
1と2の建物はどちらもイタリアのコモという町にあります。コモのジュゼッペテラーニ建築群は別の 記事で紹介しているので、時間があれば確認してみてください。
建築の特徴
ジュゼッペ・テラーニの建築の特徴は、モダニズム建築とイタリアの伝統の融合、空間のリズムとドラマ、そして建築と芸術の関係にあります。テラーニは、機能性や合理性を尊重しながら、イタリアの伝統的な建築要素や色彩を取り入れ、建築と芸術の要素を組み合わせて独自の建築様式を確立しました。
まとめ
ジュゼッペ・テラーニの建築作品は、今日でも多くの人々に感動と刺激を与えています。彼の建築は、イタリアの歴史や文化への敬意と、モダニズム建築の原則を結びつけ、新しい時代の要求に応える素晴らしい例です。ジュゼッペ・テラーニの建築の魅力を体験してみる価値があります。
コメント