【近代建築の3大巨匠】ル・コルビュジェの生涯と創造力!彼が革新した建築様式と代表作【実はマザコン?】

ル・コルビジェ Le_Corbusier 建築家

近代建築の巨匠、ル・コルビュジェ(Le Corbusier)をご存じでしょうか。彼の建築に対する革新的なアプローチと世界的な影響力は今も絶えません。本記事では、ル・コルビュジェの生涯と人柄、代表作と彼が生み出した建築様式について詳しく紹介します。

生涯

ル・コルビュジェ、本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ、はスイス生まれの建築家で、1887年に生まれました。彼は時計職人の父とピアノ教師の母のもとで育ち、幼少期から芸術的に触れる環境にいたようです。建築への情熱が芽生え、美術学校で学びました。しかし、視力の問題と時計産業の衰退により、彼は別の道を模索することとなりました。

運命は彼に美術学校で建築を教える校長、シャルル・レプラトニエに出会わせました。ル・コルビュジェは建築への情熱を追求し、最初の住宅である「ファレ邸」を設計しました。その後、ヨーロッパや東方を旅し、古典的な建築や自然からインスピレーションを得ました。

1917年、彼はパリに移り住み、建築家ピエール・ジャンヌレと共同で事務所を設立しました。この時期から、「ル・コルビュジェ」というペンネームを用い、建築、絵画、彫刻、家具、テキスタイルなど幅広い分野で活躍しました。また、建築雑誌『エスプリ・ヌーヴォー』を創刊し、自身の理論と作品を発表しました。

1920年代から1930年代にかけて、彼は「近代建築の5原則」と呼ばれる新しい建築様式を確立し、サヴォア邸やヴィラ・ラ・ロッシュなど多くの傑作を創り上げました。また、「現代建築国際会議(CIAM)」を開催し、大規模な都市計画案を提案しました。第二次世界大戦後も活動を続け、ユニテ・ダビタシオンやロンシャンの礼拝堂など、革新的な公共建築を設計しています。

スぺたら
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今でこそ見慣れたデザインですが、彼のシンプルで洗練されたモダニズム建築は”非人間的で非文化的”と揶揄されることもあったようです。

人柄

彼の幼少期は母親からの冷たい扱いと、兄に対する劣等感によって影響を受け、自己中心的で自信過剰な性格を形成しました。成功と才能への渇望が、彼をさらに複雑な人物に仕立て上げました。

女性に対しても彼の感情は複雑で、妻のイヴォンヌを理想化しつつも理解できず、他の女性との浮気や無断での壁画制作など、自分勝手な行動が目立ちました。一方で友人や弟子、仕事仲間には優しく接し、愛着を持つ姿勢も見られました。

建築家としての偉大さとは裏腹に、彼の内面には矛盾と複雑さが渦巻いていたようです。

スぺたら
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調べて感じたコルビジェの印象は”かなり面倒くさい人”

自分を肯定してくれる人が好きで、自分の要望を聞いてくれない人や批判する人には冷たい態度を取っていたようです。家族(特に母親)に対して自分の偉業を語り、世間から非難されると優しい言葉をかけてくれるように母親にリクエストをしてたんだとか…… こじらせてますね。

代表作

彼の代表作の中から、いくつかを紹介しましょう。

  1. サヴォア邸: 1929年にパリ郊外のポワシーに建てられた住宅で、ル・コルビュジェの「近代建築の5原則」が初めて実現された傑作です。この白い箱型の建物は、内部が開放的で機能的な空間となっており、近代建築の代表的な例です。
  2. ロンシャンの礼拝堂: 1954年にフランスのロンシャンに建てられたカトリック教会の礼拝堂で、ル・コルビュジェが鉄筋コンクリートの可能性を最大限に引き出しました。外観は曲線と直線が組み合わさった抽象的な形で、内部は光と影が神秘的に演出された空間です。>>ロンシャンの礼拝堂について別記事で詳しく解説してます。
  3. 国立西洋美術館: 1959年に東京に建設された美術館は、日本で唯一のル・コルビュジェの建築作品です。建築の基準寸法システム「モデュロール」に基づいて設計され、人間の身体と黄金比に合致した建築です。

建築の特徴

ル・コルビュジェの建築様式は、機能性と合理性に焦点を当て、新しい素材である鉄筋コンクリートを使用し、従来の建築から解放された自由な形や空間を生み出しました。「建築は住むための機械である」という言葉も残しています。また 建築と自然、人間との関係を考慮し、光、風、色などの要素を効果的に取り入れました。建築を単なる芸術だけでなく、社会や文化に影響を与える力として位置づけ、近代建築の歴史に大きな足跡を残しました。

コルビジェ建築の構成要素って今ではスタンダードになっているので、なかなか”作家性”として認識しづらかもしれません。悪く言えば何がすごいのか解らない(笑) ただ実際に建物を見学してみると建物内で明暗や広狭、視線の抜けや当てを駆使して巧みに空間を造りあげていることが感じられると思います。実際に見ることを強くお勧めしたいです。

まとめ

ル・コルビュジェの作品は、今も多くの人々に感動とインスピレーションを提供し続けています。その創造力と遺産は、建築界において永遠の感銘を与え、彼の理念は未だに建築家やデザイナーによって尊重されています。彼の先進的なアイデアと建築の哲学は、私たちが住む環境や都市の発展に多大な影響を与えました。

ル・コルビュジェの遺産は、彼の作品を通じて、建築が単なる機能の提供以上のものであることを示しています。彼は建築を人間性と調和の追求と捉え、その考え方は建築と都市計画における新たな可能性を切り拓きました。そのため、私たちが今日享受している都市の美しさや機能性に対してル・コルビュジェへの感謝が絶えません。

彼の業績は、近代建築における革命的な変化を象徴し、彼の名前は永遠に建築界に刻まれていることでしょう。ル・コルビュジェは、建築の未来に対する挑戦を受け入れ、その作品は私たちに未来へのインスピレーションを提供し続けています。彼の建築への情熱と創造力は、時を超えて輝き続けていることは間違いないと思います。

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